kicchom’s blog(ほぼ彩風咲奈さん用)

宝塚歌劇の観劇記録と、彩風咲奈さんのことなど

2021年4月11日にあったこと(1)

雪組東京宝塚劇場公演の千秋楽であり、トップコンビのサヨナラ公演の大千秋楽。

奇跡的に友の会でチケットが取れて観劇できることになった。

以前から「サヨナラ公演は退団者のファンのもの。むやみにチケットを確保することはしない」と公言してきただけに、ちょっと肩身が狭い。

この1年、あまりにも色々なことを我慢してきたので、(たいして当たりもしない)友会の抽選申し込みぐらい、宝くじ買う気分でダメもとチャレンジしてもバチは当たらんだろうと思ったら、チケットが当たった。

さきちゃんのいちファンとして、これ以上ないくらい楽しませてもらった二番手時代、その最後の時を見届けられる名目もありつつ、今までどんなトップさんにも抱いたことのない、だいもんへの気持ち--尊敬とか憧れとか感服とか賞賛をひっくるめた--を、劇場の客席で確かめ、その姿を見納められることが嬉しかった。

・・・

開場の2時間半ほど前に日比谷に着き、劇場前の様子が見えるお店のカウンター席を確保して早めのランチをゆっくり食べる。白装束の人々が続々と集まってくるのが見えて、とにかくそわそわして落ち着かない。会の方達のはたらく姿を見て涙ぐんだり。

私の隣には白装束のお一人様が座った。大千秋楽の店内はまるでムラのロッテリアのようで、あちこちに待ち合わせや連れ立った白装束のグループがいて「久しぶり」「お疲れさま」みたいな挨拶が飛び交っている。お隣さんも待ち合わせかな……と思っていたところ、席を立った時に椅子に置かれたあのメモリアルミニバッグが見えた。間違いない、だいもんのお見送りの方だ。

声をかけたい。誰かと話したい。このご時世だからというのもあるけど、こんな状況のこんな大切な日に、終演後までキャトルのレジのお姉さん以外誰とも喋らないなんて耐えられなかった。友達とはLINEのやり取りをしてたけど、やっぱり己の口を動かして喋りたい。

私も、お隣さんもお互いにデザートまで完食したのを見計らって、思い切って声をかけた。マスク越しに気持ち大きめの声で。

「望海さんのお見送りですよね」

(つづきます)